永久歯が生えないの影響
最近、日本小児歯科学会が、全国の7歳以上の子ども約1万5000人を調べた結果、10人に1人の割合で、永久歯が生えない子どもがいると発表しました。すると1000万人の子どもがいたら100万人の子どもが先天性欠如ということになるので、かなり驚いた。本当なのだろうか。そもそも、どういうメカニズムで歯は生え変わるのだろう。
生えて来るべき永久歯が生えないこの症状を「先天性欠如」といいます。歯の先天性欠如とは乳歯の下では永久歯になるための歯胚が作られますが、何かの理由で歯胚が出来ない場合は永久歯が萌出せず、乳歯が長く残っていたり、歯にすき間ができたり、歯並びが悪くなったりすることが多いのです。
ただし、永久歯がなければ、乳歯をなるべく長く使う工夫をしなければならないが、乳歯は永久歯より小さくて弱いため一生使い続けるのは無理です。乳歯は虫歯になりやすいのに、徐々には根が吸収されるので20歳から30歳までには自然に抜けてしまうことがほとんどです。
永久歯がないのに乳歯が抜けてしまうと、歯の間から空気が漏れて正しい発音ができない、見た目がよくない、などの問題が起きる。歯並びが悪いため正常なかみ合わせができず、あごの位置がずれる顎関節症になったり、口の中に食べ物のかすなどが残って歯周病や虫歯になりやすい。
7歳から8歳前後に永久歯が出てこない場合は早めに歯科に相談することが大切です。