1. ホーム
  2. 歯科情報
  3. 健康の話題
  4. 抜歯の過程と最終補綴物
抜歯の過程と最終補綴物

 

条件さえ合えば、抜歯と同時にインプラントを埋入するケースが増えてきています。抜歯後の穴にそのままインプラント埋入する際には、どうしても穴とインプラントの間に隙間が出来てしまいます。その場合は隙間を埋めるため、そして既存の歯槽骨の吸収を抑えるためにしっかりと骨補填を行います。

インプラントの埋入から約3か月後にはインプラントと骨の結合がうまくいっているかどうか、骨の吸収はないかなどチェックをおこないます。写真中央は埋入時から3ヶ月半が経過したところです。

骨補填をした箇所もしっかりと保たれ、既存骨の吸収もありません。チェックで問題なければ2回目の手術をおこないます。ここで骨としっかり結合されたインプラント体にアバットメントというインプラント体と上部構造(クラウン)を繋ぐ部分を取り付けます。

チェック時には「オステル」というインプラント体の安定性を測定する機器を用い、埋入したインプラント体がしっかりと口腔内で安定しているかを数値で確認することが出来ます。数値はISQ値と言われ1~100の範囲で表されます。(エアータービン) 

ISQ50以下は安定性が低く全体の治療に時間をかける必要があり、65以上は高い安定性を表しているので、早い段階でのクラウン(仮歯も含め)を装着することができます。高いISQ値が出れば2回目の手術の際にそのまま仮歯の型を取ることができ、早期に固定式の仮歯を装着し使用して貰うことも可能なのです。

固定式仮歯を装着し数か月間使用して貰うのですが、使用中には食事の際や日頃の咬合でインプラント体にストレスが掛かるようになります。そのため、仮歯の装着時よりわずかに歯槽骨が吸収したり、歯肉の形態変化が起きることがあります。その変化を想定し、骨も歯肉も少し多めに仕上げることによって理想的な最終ゴールに近づくことが出来るのです。この段階で骨や歯肉の変化が著しく、不足が大きいようであれば追加で移植することも考えなければなりません。

最終補綴物であるクラウンを装着する際にかかる骨や歯肉へのストレスは仮歯の時とできるだけ同じにしておきたいので、すべてが変化し終え理想的な形になってからクラウンを製作します。中には骨が予想以上にしっかりと出来上がり、クラウンの型取りの段階で調整することも……。既にない物を増やすのは苦労しますが、多めにある物を削ることは簡単でいつでもできます。ここまで想定してクラウンを装着するまでに入念に準備しておくのです。

皆様、よく知っていますか。



 
Share
次の編:最近、歯は異常が起こっています
前の編:歯について、妊娠さんが感心な問題
閉ヒる
メニュー