歯科医院の衛生現状

 

多くの歯科医院で、歯を削る医療機器を滅菌せずに使い回している実態が明らかになった。ウイルスや細菌を患者にうつす心配があり、国は滅菌を徹底するよう都道府県などに通知した。しかし患者ごとの機器交換は多額の費用がかかるため、一部の歯科は及び腰です。

不衛生な歯科医院は歯を削る機器(歯科用ハンドピース)を使った後は、表面をアルコールで拭いて終わり、滅菌しないまま次の患者に使います。ゴム手袋も使い回しです。歯科で患者がウイルスなどに感染したという国内の報告はないが、米国ではB型肝炎ウイルスの感染例があります。

歯医者はハンドピースを使うと、患者の血液や唾液が表面に付いたり、機器の内部に入り込んだりする。血液などにはウイルスや細菌が潜んでいる心配があり、消毒や洗浄では病原体を完全になくすことはできない。

このため日本歯科医学会の指針は、機器の使用後は、高温の蒸気で病原体を死滅させる滅菌処置を施し、患者ごとに滅菌された機器に交換することが勧められています。

しかし、費用の高さで多くの歯科医が滅菌しない。ハンドピースは1本約20万円。滅菌には1回30分程度はかかるため、患者ごとに交換するには少なくとも倍の本数をそろえなければならない。

歯科は日本全国約7万施設のうち、98%が小規模な診療所だ。その内ハンドピースの取り換えを届け出ている歯科は約7000であります。「歯科の姿勢を改める一番の特効薬は、患者の厳しい目かもしれない」と医療部の渡辺理雄が言いました。(歯科販売

 

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