日常の歯科治療には、超音波スケーラーとエアースケーラーは、両者も主として歯肉縁上の歯石除去を目的として用いられている。どちらのほうが速さと効率が高いですか。今回、日常頻繁に使用している超音波スケーラーとエアースケーラーの両者の特徴を比較します。
(詳しく知りたいなら、 興味があるなら、それぞれ超音波スケーラーとエアースケーラーのページへようこそ。画像とスケーラーのパーツは関連ページにはたくさんあります。)ここに、簡単に超音波スケーラーとエアースケーラーの両者の特徴を比較します。
まず、両者の応用範囲と比較します。超音波スケーラーは歯石の除去以外に、クラウンなどの補綴物の除去や根管洗浄にも使用されることがあります。一方、エアースケーラーでは、歯石の除去以外に、歯質の切削(窩洞形成)や根管洗浄にも使用されることがあります。
超音波スケーラーとエアースケーラーの両者とも音波による振動を利用しており、歯根面に付着した歯石やバイオフィルムなどを除去します。超音波スケーラーは毎秒18,000~50,000サイクルで振動します。エアースケーラーは毎秒2,000~6,000サイクルで振動します。
歯石除去の効果は、振動数が大きいだけ超音波スケーラーのほうが勝っています。とくに歯肉縁に沿って頑固に付着している歯石の除去に関して、超音波スケーラーは効率的に歯石を粉砕、洗浄できます。
しかしその半面、超音波スケーラーのインサートチップは手用のスケーラーに比べて大きく、太く、先端が鈍である。これは、超音波によるスケーリング時の歯面への損傷をできるだけ少なくするための対応です。そのサイズが大きいため、歯肉縁下への確実な挿入が手用スケーラーに劣ります。
除石中の疼痛は、双方の振動数の強弱の違いため、超音波スケーラーのほうが操作時の痛みが大きい傾向がみられます。エアスケーラーのほうが出力が弱く、ソフトです。その痛みは超音波スケーラーがパワーにより小さくできますが、エアースケーラーは変られません。
また、エアースケーラーは、超音波スケーラーのような電磁波を生じることがないため、心臓ペースメーカーの方にも安全に使用できます。
両者の比較でまとめ
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超音波スケーラー |
エアースケーラー |
外形 |
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振動数 |
18,000~50,000回/毎秒 |
2,000~6,000回/毎秒 |
出力の可変 |
可能 |
不可能 |
振動形式 |
磁歪振動または電歪振動 |
エアー駆動 |
主な用途 |
歯肉縁上歯石除去 |
歯肉縁上歯石除去 |
その他の用途 |
補綴物除去、根管洗浄 |
窩洞形成、根管洗浄 |
歯石除去効率 |
比較すると大 |
比較すると小 |
歯面の損傷 |
比較すると大 |
比較すると小 |
除石中の疼痛 |
比較すると大(パワーにより小さくでき) |
比較すると小 |
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